

業界ノート
プラント
世界で働きたい。大きな仕事がしたい。
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1. ビジネスの仕組み
プラント業界のビジネスの流れはEPCと呼ばれ、設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)の3フェーズで構成されています。設計は文字通り、顧客の要件を満たすプラントを設計すること。調達では、プラントに必要となる部品や資材を世界のベンダーから買い付けます。最後の建設で、それらを現地へ運び実際のプラントへと組み上げるのです。特徴的なのは、プラント・エンジニアリング各社は基本的に材料や部品を生産せず、また建設もゼネコン等へ委託すること。プラントには膨大な部品が必要で、また建設の工程も極めて複雑です。そのプロセスをマネジメントするノウハウこそ、プラント業界に求められているものなのです。
プラント業界は、その成り立ちや得意分野などによって分類することができます。<専業3社>は、プラント・エンジニアリングに特化した大手3社のこと。各社とも海外比率が50%を超え、大規模な案件をグローバルに展開しています。さらに鉄鋼会社を母体に製鉄プラントや貯蔵設備、環境プラント等に取り組む<製鉄系>、親会社の得意分野を活かしたプラント建設が特徴の<メーカー系>などがあります。
※専業3社:日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリング
製鉄系:新日鉄住金エンジニアリング、JFEエンジニアリング、神戸製鋼
メーカー系:三菱重工業、川崎重工業、IHI、東芝プラントシステム、日立製作所など
2. 主な職種と︎役割
プラント・エンジニアリングは、その名前から分かるように、理系の活躍場所が多い業界。「ビジネスの仕組み」の項で記した設計・調達・建設の3フェーズのうち、設計関連は各社とも理系のみの職種となっています。また当然ながら他の業界と同様、財務や法務、人事、総務などのバックオフィス業務も欠かすことはできません。
設計:プロセスや配管、機器、電気、制御、土木・建築など、各分野における基本設計や詳細設計を行います。
調達:プラント建設に必要な部品や資材を世界中のベンダーから調達し、現場までの輸送をアレンジする仕事です。
建設:人員や資材などの建設リソースを効果的に組み合わせ、工期とコスト・安全と品質を担保した工事計画を立案します。
プロジェクトマネジメント:専門部署が作成する図面や仕様書などを把握し、プロジェクト全体を束ねます。